夢追い旅 過去の扉
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過去の扉

 今日はカオルが店に立っている。団長もカオルが子供を産むのを渋々認めたようだ。
「周平は血液型は?」
 ケイ君が聞く。
「O型だ」
「俺もOだ。困ったことだな。カオルもOだ」
 カウンターの端でぼそぼそと言う。
「確率から言うと、俺の子供の可能性が団長の言うように高い。だがそれでは子供は不幸になる」
「ケイ君らしくないな」
「いや、フェアーじゃないような気がするんだ」
「時々遊んでやってくれればいいよ」
 周平は妙に子供が産まれることで道に迷っている自分が救われるような気持になっている。舅に言われたわけでないが、離婚届も判を押してポストに入れた。ただ彼があそこまでマドンナに惹かれているとは思いもしなかった。男と女は分からないと思う。
「そのぐらいにしてカオルは上でゆっくりしなさい」
 団長が降りてくる。昨日は真夜中までクラブで舞台をやっていたようだ。
「狐は会社じゃないの?」
「さぼりだよ」
 小声で言う。カオルは周平を詐欺師として疑っていないのだ。でもまあ、詐欺師のような仕事をしている。
「あのリンチ事件を詳しく調べたいの」
「ああいいよ」
 ケイ君が周平の顔を見て答える。
 どうもサングラスの男、太田黒から何か情報を得ているようだ。
「それは詐欺師の狐が調べよう」
と言って団長からリンチ事件の記事のコピーを受け取る。






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テーマ : ミステリ
ジャンル : 小説・文学

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Author:夢人
これは30年前から書き始められた小説です。
日記風に手書きされた原稿にもう一度読み返して書き加えたものもあります。この小説は本来活字にはしないことにしていましたが、某社長がなくなれた記念碑で発表を決意しました。

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