夢追い旅 導火線

導火線

 舅が朝、五反田の駅で何者かに突き飛ばされ重体の連絡を相談役から受けた。そのままタクシーを拾って病院に向かう。
 病院に着いた頃は応急手術は済んでいて、警察の聴衆も終わった後でベットに横たわっていて意識もあるようだった。
「どうしたんですか?」
「いや、押されたんだ」
「相手は?」
「分からん」
「足が入ってきた電車に跳ねられたようで当分歩けない。だが、おそらく柳沢だと思う」
「警察に?」
「いや。確認したわけでもないので言ってはいない」
「あの日二人でずいぶん話されてたようですが?」
「奴は狂っている。マドンナを隠したのも、自分を追い詰めているのも僕だと思い込んでいる」
 舅の目も周平から見ると異常だ。
「君も気を付けた方がいい。奴は僕が指揮をして君を動かしていると思っている。それとKジャーナルの記者を調べている。すごく怯えている」
「どんな話をしたんですか?」
「話じゃない。マドンナから手を引けとか赤坂から手を引けとか正常じゃない。あの調子なら会長も逃げ腰になっていると思う。いや、脅しているかもな。根っからのチンピラだ」
「監査役の事故死の件、チンピラの毒殺、加瀬の自殺偽装すべて彼が絡んでいます。そもそもお二人が絡んだ藤尾さんの強姦偽装から事件は始まっているのですよ。もともと藤尾さんをはめる絵を描いたのは部長です。柳沢はすでに強姦していたマドンナの写真を餌にひきこんだ。知っていたんですね?」
 舅はしばらく黙ったままで、
「誰に聞いた?」
「マドンナです」












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テーマ : ミステリ
ジャンル : 小説・文学

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夢人

Author:夢人
これは30年前から書き始められた小説です。
日記風に手書きされた原稿にもう一度読み返して書き加えたものもあります。この小説は本来活字にはしないことにしていましたが、某社長がなくなれた記念碑で発表を決意しました。

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