夢追い旅 落とし穴

落とし穴

 旗手社長から直接携帯が入った。
「今どこか?」
「M商事にいますが?」
「出れるか?」
「いいですよ」
「会社の前に15分でミーの車を着ける乗ってくれ。詳しくはミーから聞いてくれ」
 周平は慌てて上着を着ると外に出る。幸せなことに、最近は直接指示を受ける上司がいない。玄関に出ると、もうミーの車が入ってくる。
「どうしたんだ?」
「早く乗って走りながら話す」
「これから会うのはね、旗手社長の友達の代議士なの。なかなかの曲者なんだけど今回の政界ルートに異議ありと言っているのよ。話を聞いてほしいとのこと」
 そう言うなり、東京駅の丸内側を細い路地を入ってゆく。
「ミーか。時間がないから手短に言うからな」
 周平の名刺もテーブルに置いたままでしゃべり始める。
「社長に政界ルートの話を聞いたが不味いぜ。未公開株の件はもう有名になっとるぞ。彼奴がすべて配分を決めると自分の金のことのようにやっておるわ」
「それは不味いですね。でもどうすれば?」
「ルートのボスを教えるからそこを通じて渡すんだ。でないと本当に渡っているかどうかも分からん。それだけならいいが、そこからややこしいことが起こるかもしれん」
 そこまで言うともう立ち上がっている。
 テーブルに請求書だけ残っている。
「突風のような人だな」
「でも一理あるわ。これは周平の言葉で伝えるのよ」




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テーマ : ミステリ
ジャンル : 小説・文学

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プロフィール

夢人

Author:夢人
これは30年前から書き始められた小説です。
日記風に手書きされた原稿にもう一度読み返して書き加えたものもあります。この小説は本来活字にはしないことにしていましたが、某社長がなくなれた記念碑で発表を決意しました。

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