夢追い旅 過去の扉

過去の扉

 ホワイトドームで二人きりになったのは11時半を回っていた。団長が下で余ったおでんを2階の部屋で鍋でもう一度温めてくれる。周平はビールとウイスキーを持ってあがる。
「何を持って帰った?」
「日記よ。大学ノートに書いていたのが3冊見つかった。大学に入った頃から事件の2か月前まで」
「見せてほしいな?」
「見せない。恥ずかしいの。もう一人の私の裸を見られるような」
 二人で黙って乾杯をする。
「どちらを愛していたんだ?少し気になるな」
「ずっと悩んでいたようだわ。でも最後のノートがないので分からない」
「記憶は戻らないか」
「そのほうがいいのじゃないかと今は思っている」
「そうだなあ」
 なんだか団長の意志に従いたいと思った。これは新しい出会いで恋なのだと思う。
「でも京都の下宿にしては長かったな」
「実は怒らない?」
「ああ」
「通天閣のある街に」
「まさか?」
「伯母さんに会いに行ったの。でもね、周平の書いていたアパートはなくなっていたの」
「古いから立ち退きなったんだな」
「私伯母さんに会いたいの」








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テーマ : ミステリ
ジャンル : 小説・文学

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プロフィール

夢人

Author:夢人
これは30年前から書き始められた小説です。
日記風に手書きされた原稿にもう一度読み返して書き加えたものもあります。この小説は本来活字にはしないことにしていましたが、某社長がなくなれた記念碑で発表を決意しました。

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