夢追い旅 リスト

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 轟から柳沢の報告が来たが、どうもやくざの兄貴を妹ががっちり押さえているようで、簡単には柳沢に繋がらないようである。これでは会長まで行くことは今のところない。どうも黒崎は今回は会長からいくばくかの金を懐にしている雰囲気である。今は周平は黒崎とは付かず離れずと認識している。
 先ほどミーと二人で議員会館から出てきて、Nビルに戻って代議士から渡されたリストを広げて睨んでいる。
「感想は?」
 ミーが応接室の鍵を閉めて、ブランディとビールの小瓶を抜いてテーブルの端に置く。彼女は明日の朝一番にニューヨークに行く。旗手社長と現地法人で合流するらしい。その時にこのリストを渡すようだ。
「納得行かない部分がある。株の配分が代議士の派閥配分が多すぎる。それに他の派閥や野党とのパイプが見えない」
「そう。全体を握るには主要な人が掛けているし配分が小さいわ」
 ミーの頭の中にはしっかり派閥人脈が入っている。
「あの曲者代議士の指摘は正しいわ。これじゃあ首相指名選挙資金のようよ」
「そう思う。だが、旗手社長は方針を曲げないだろうね」
 意見は参考にするが、自分の考え方は変えない。ワンマンのワンマンの由縁だ。とくに政界ルートには正解というものはない。
「ミーは銀座のはずれにあるビルに行ったことがある?」
「ないわ」
 やはり白髪の老紳士は別ルートだ。
「黒崎のようなルートは何本くらいあるのかな?」
「そうね、私の知っているのはもう一人テレビによく出ている経済評論家だけかしら。でもこういう時には力にはならないね」
「一度あの老紳士に漠然と聞いてみるか」
 珍しく旗手社長に関しては身内として心配している二人である。






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テーマ : ミステリ
ジャンル : 小説・文学

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夢人

Author:夢人
これは30年前から書き始められた小説です。
日記風に手書きされた原稿にもう一度読み返して書き加えたものもあります。この小説は本来活字にはしないことにしていましたが、某社長がなくなれた記念碑で発表を決意しました。

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