夢追い旅 傭兵

傭兵

「ケイ君を大阪に行かせたね?」
「ああ」
「私からも小遣い出しておいたよ。調べてほしいことがあるから」
 団長からそう言われてホワイトドームを一緒に出た。今日も少し遅刻をしてカオルの顔を覗きに行く。カオルについては再三再四出産を止めるように医者から言われているがカオルはがんと聞かない。で団長も周平もある種の怯えを抱きながらも引きずられている。
 朝の病院に続く道はひっそりしている。面会時間が始まると人出が増えて、昼から夜は娼婦の立ちんぼう天国である。カオルもその中に混じっていた時期がある。
「M商事辞めるの?」
「彼奴は口が軽いな」
「吐かすのは簡単。でもいいかもね」
「どうして?」
「面白くなさそうだもの」
 至極あっさりしている。確かに面白くない。ここまで来たら敗戦処理だ。その時後ろを何人かが走ってくる音がして振り向いた。ほとんど同時に先頭の一人にバットで思い切り振りかえりざまの肩を殴られた。
「やっちまえ!」
 掛け声とともに、後ろの2人がバットを持って飛び掛かってくる。その瞬間団長の今まで聞いたことのない雄たけびを聞いた。だが周平はうずくまってしまっている。団長に抱き起された時は、すでに2人はのびていて1人は駆けだしたいる。電柱のところに確かに柳沢の横顔が見えた。
「病院まで歩ける?警察は呼ばないからね」
「ああ。でも凄いね」
「傭兵だったらしいから」










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テーマ : ミステリ
ジャンル : 小説・文学

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夢人

Author:夢人
これは30年前から書き始められた小説です。
日記風に手書きされた原稿にもう一度読み返して書き加えたものもあります。この小説は本来活字にはしないことにしていましたが、某社長がなくなれた記念碑で発表を決意しました。

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