夢追い旅 消息

消息

 ケイ君が夜の新幹線で戻ってくるというのを団長の携帯で聞いた。ほぼ1週間大阪にいたことになる。周平は今日は顧問に言われて現在の調査部の仕事の内容を仕上げないと帰れない。
 顧問の入った4者会談は連日続いているようだが、なかなかまとまらないようである。でも顧問はあまり焦っている風でもなく、周平にいろいろと課題宿題を投げかけてくる。
 周平がホワイトドームにたどり着いたのは夜の10時半を回っていた。
 相変わらず止まり木にはフランケン達が並んでいる。
「ご苦労さん!」
 席でビールの小瓶を飲んでいるケイ君に声をかける。
「もう団長に話した?」
「いやお戻りを待ちなさいとね」
 団長が笑いながら周平に小瓶とチーズを運んでくる。
「まず謝っておくよ。経費をいただいたのにはかばかしい情報は得られなかったよ。周平が住んでいたアパートのオーナーは見つけたんだが、どうも亡くなられてあのアパートが相続になったということだった」
「そうだな。お婆さんはあの頃で80歳くらいに見えたからな」
 よく玄関で乳母車を置いて座り込んでいたのを覚えている。
「それで相続をした娘さんを探して訪ねたが、ほとんどアパートとは交流がなく1年ほど業者に任せて立退きをさせたみたいだ。業者にも訪ねた。伯母さんと50万で話がまとまったようで」
「その時何か聞いていない?」
 団長が口をはさむ。
「近くの遊郭にお世話になると、もちろん遊郭にあたってみたよ」
 周平は昔よく走り回った遊郭の建物を思い出していた。
「やはり伯母さんが訪ねてきて交渉したらしいが最近は若い子しか置かなくなっていると言うので断ったそうだ。でも帰りに居酒屋で飲んでいると、年配の娼婦は最近映画館で仕事をすると聞いて覗いてみた。そしたら確かに半年前まで年配だが綺麗な人がいたという情報があった。写真を見せたが歳を取ったらそうな感じだと言っていた。もちろん携帯番号を教えておいたよ」











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テーマ : 自作連載小説
ジャンル : 小説・文学

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夢人

Author:夢人
これは30年前から書き始められた小説です。
日記風に手書きされた原稿にもう一度読み返して書き加えたものもあります。この小説は本来活字にはしないことにしていましたが、某社長がなくなれた記念碑で発表を決意しました。

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