夢追い旅 バック

バック

 M商事の決算報告が出て更に株価が落ち込んだ。思い切って赤坂の負債を処理したようだ。これは顧問の方針だったようである。最近は会長派も社長派もめっきりおとなしくなった。それに代わって相談役の息子の周りに吹き溜まりのように人が集まってきている。顧問はそういう付き合いを極端に避けているようだ。それで周平自身が顧問派の入り口のように思われている。
 ケイ君から新橋の喫茶店にいると携帯があった。店を覗くといつものように焼きそばを食べている。
「まるで飯を食っていない子のようだぜ」
「昨日は藤尾さんと終電まで飲んだよ」
 確かに酒臭い。
「小林さんはかなりやばそうだな。藤尾さんの地上げの会社にかなり融資しているな」
「赤坂の件かい?」
「もあるが、赤坂以外の資金需要にも出しているようだ。それでどうも藤尾さん曰くはバックを取っているということだ」
「具体的に?」
「最近投資マンションに会社の女子社員を住まわせたそうだ。登記を上げてみるさ」
 ケイ君はくしゃくしゃになった便せんのメモを広げる。何件か裏会社の名前が挙がっている。
「この許と言うのは?」
「それは最近の貸付先でね。評価のない物件で3億も出したらしい」
「それを調べれるか?」
「ああ、物件も教えてもらっているさ」
「ついでにその許も調べてくれ」
「会社も控えてきてるさ」
 これはケイ君と仕事をするのは悪くないなと思った。






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テーマ : ミステリ
ジャンル : 小説・文学

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夢人

Author:夢人
これは30年前から書き始められた小説です。
日記風に手書きされた原稿にもう一度読み返して書き加えたものもあります。この小説は本来活字にはしないことにしていましたが、某社長がなくなれた記念碑で発表を決意しました。

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