夢追い旅 気がかり

気がかり

 ミーから呼び出しがあって久しぶりにNビルに出かける。何となくネクタイが窮屈に感じる。珍しく旗手社長がソファにかけて書類を読んでいる。ミーが気を使ってコーヒーを入れてくれる。
「辞めったってな」
 旗手社長にもミーから伝わっているようだ。
「黒崎がまた赤坂を記事にし始めたな。詳しい話を聞いているか?」
 Kジャーナル記事を読んでいるようだ。
「今回M商事を辞めるのを機に手を切ろうと考えています」
「それがいいかもな」
 何か情報があるのだろう。旗手社長も最近は黒崎を集まりに呼ばない。今まで周平が記事を書いてきたという情報があるのか分からない。ただ黒崎に何か焦っているという感じがする。
「赤坂をあんまり話題にされると、国営地の払い下げにスポットライトが当たりかねない。黒崎の動きをチャックしてくれ。それから未公開株の配布状況を調べてくれ」
「何か気になることでも?」
「いやもうすぐ上場するからな」
 ミーが背広を着せにかかる。社長は立ち上がると思い出したように、
「小林の件も調べてくれ」
と追加する。ミーが鞄を持って運転手をするようだ。彼女はテーブルの上にわざと手紙を置いてゆく。
 手紙はファイナンス会社の人事部長からである。
『・・・社長は最近特定の危ない会社に融資を続けています。審査部長から否決されても、社長決裁権限を使って可決にしてしまうので不満が出ています。それとこれは確認していませんが、それらの企業からバックを取っているようです・・・』






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テーマ : ミステリ
ジャンル : 小説・文学

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夢人

Author:夢人
これは30年前から書き始められた小説です。
日記風に手書きされた原稿にもう一度読み返して書き加えたものもあります。この小説は本来活字にはしないことにしていましたが、某社長がなくなれた記念碑で発表を決意しました。

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