夢追い旅 両輪

両輪

 轟が頻繁にホワイトドームに現れるようになった。それで妙にケイ君と仲良くなってどうやら地上げの仕事を手伝っているようだ。黒崎のところは呼び出されないといかないようである。周平が病院のカオルのお昼に付き合って戻ってくると、二人並んで止まり木にとまっている。団長は病院を出ると買い物に回る。
「またKジャーナルの記事が出たな」
 轟がどこで手に入れてくるのか拡げる。
「ただ田辺の名前で出されると困るんだがな」
 旗手社長に田辺が周平であることを知られていたら弁明ができない。
「鈴木さんのデスクが黒崎の事務所に置かれたようだぜ」
 やはりまた黒崎と舅は昔の繋がりに戻った。もう一人の小林はどうだろう。二人とも黒崎の事務所にいたのだ。
「小林の件だね。あの人はバックし放題だな。融資案件も調べてみたが半分は許という男絡みだ。残りの半分は赤坂の地上げ絡みだよ」
「それには黒崎が絡んでいるさ。もともとあのベンチャーの不動産会社は黒崎の顧問先の会社だって噂だ。それで小林が初代の社長になったわけさ」
 ケイ君が気をきかせて周平のビールの小瓶を抜く。いつの間にか団長が戻ってきていて、4人分の焼きそばを焼き始めている。
「上場が見えてきて社名が変わって小林も降ろされた。結構不満だったようだぜ」
 今回ファイナンスも上場はあまり遠くない。同じことが起こるのか。旗手社長は小林の様子を見ている節がある。なぜそこまでして旗手社長は小林を使うのだろうか。だが彼の会社の仕組みからすると裏を仕切る人間が必要だ。表の戦略と裏の戦略の両輪で回っている。確かにミーは安心できるが、現場の交渉はできない。周平がその立場を認められたら小林は用無しになるのか。
「Kジャーナルとベンチャーの付き合いはいつから始まった?」
「それはS銀行の本部長だと思うなあ」







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テーマ : ミステリ
ジャンル : 小説・文学

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夢人

Author:夢人
これは30年前から書き始められた小説です。
日記風に手書きされた原稿にもう一度読み返して書き加えたものもあります。この小説は本来活字にはしないことにしていましたが、某社長がなくなれた記念碑で発表を決意しました。

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