夢追い旅 有名物件

有名物件

 M商事の新社長に10ページほどの調査書を郵送した。赤坂の記事は黒崎の運営するKジャーナルで田辺記者の名前で書かれているが、書いているのはM商事の元鈴木部長であるという事実。もともと黒崎が当時のM商事会長らと赤坂の地上げを始めたが、彼は別ルートにもこの情報を流し今回の事件を起こした。鈴木部長もまた会長から離れて相談役を引っ張り出した。だが二人の野望は見事に外れてどうも今はYテレビの会長と連携している。さっとこのような内容に証拠をセットした感じである。
 珍しく旗手社長から直接携帯で京都に行くように指示を受けた。
 団長には子供が産まれたらすぐに連絡を頼んで新幹線に乗り込んだ。昼過ぎに八条口から降りて迎えに来ていた車に乗る。
「わざわざすいませんね」
 Sハウスの京都支社長の名刺を出す。周平は秘書室長の名刺を出す。
「どういうことなのですか?」
「お宅の不動産会社が京都の駅裏に土地を買い始めたのですよ。京都では有名案件になりつつあるのです。昨年も1人死者が出ています」
「なぜこちらの会社だと?」
「大阪支社長の有名なダミー会社にファイナンスが融資していますからね」
 資料を出してきてテーブルに置く。調査会社の資料によると、ダミー会社は兵庫の代議士の従兄弟が社長をしている。ここ3年で15物件を仕込んで地上げしている。最近はその半分をグループのファイナンスが融資をしている。融資額は20億になっている。銀行借り入れはない。
「それで?」
「当社も実はこの物件に2年前から手を突っ込んでいます。だが購入予定地に暴力団絡みの会社が入ってきて先月底地を購入したのです。その仲介をしたのが許と言う男で、どうもあのダミー会社にファイナンスというセットで、調べてみると迂回融資らしいのですよ」
 帰りがけに車で京都駅裏を案内してもらった。まるで廃墟のようなところだ。線引き見直しの話が湧いてきて、一斉に注目の土地になったようだ。
 藤尾に連絡を入れると、夜に大阪の地上げをしている部下を紹介してくれるという。
















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テーマ : ミステリ
ジャンル : 小説・文学

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