夢追い旅 新興勢力

新興勢力

 ホワイトドームの階段の上り口にフランケンが団長に頼まれて臨時のゆりかごを取り付けた。団長がカウンターに入っていてもいつでも目が届くようにである。小さなカオルはやはり普通の赤ちゃんよりずいぶん軽い。それに
カオルと違っておとなしい。周平が鼻をつつくとにこにこ笑う。でもぱっちりと開いている目がカオルとそっくりだ。
 今日はSハウスの社長室に呼ばれている。社長は人払いして二人だけで部屋にこもる。
「この話は君ところの社長にも直に言ったが、忙しくて上の空だ」
「何の件ですか?」
「いやな噂が出ている。Yテレビの社長が中心に未公開株の件の批判的な話題だ」
「YテレビについてはKジャーナルの黒崎が今へばり付いていて妙な動きをしています。もちろんこちらも調査をして社長に報告していますが」
 旗手社長の反応が今ひとつなのだ。
「Yテレビの社長には株は行ってないんだろ?」
「ええ外しています」
「どうして未公開株の情報が漏れる?」
「これはファイナンスの小林社長からです。彼から黒崎にかなり詳しい情報が洩れています」
「社長は?」
「ご存知です。よく分からないのですが、どうしてYテレビの社長がそこまで嫌うのですか?」
「それはなあ、彼らの地盤に急にベンチャー達が現れたからだよ。それに急成長を続けている。銀行筋は面白がってはしゃぎたてているが、競合企業は笑ってはいられないさ。だがこの流れはこれからますます止めれなくなる。私だっていつ後ろから来たベンチャーに食われるか分からんから」
「そんなものですか?」
「ベンチャーはルール無用で仁義もない。これはYテレビの社長の受け売りだけどね。それに与党の中には今の総理を嫌う人達も多い。今彼を失うと、日本は10年いや20年は世界から遅れをとることになる」








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テーマ : ミステリ
ジャンル : 小説・文学

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