夢追い旅 先制攻撃

先制攻撃

 轟から田辺記者のねぐらの偽装が完了したという報告を受け、さっそく『噂の真相』に2番目の記事を書いた。Kジャーナルが警察から聴取を受けて引き延ばしている田辺記者のねぐらを暴露したのだ。黒崎と舅に先に都合のいい形に変えられるのに先制攻撃をしたのだ。『噂の真相』は彼らにはまだほとんど情報がない。
 轟からは今日中にねぐらに査察が入ると情報が入った。今のところ周平は彼らにとってすでに過去の人になっている。轟には旗手社長の裏会社から報酬料を出すようにしている。それで気になっていた柳沢の動きを次に調べてもらうように頼んだ。
 『噂の真相』の編集長にはギブアンドテイクで永田町での未公開株の噂を調べてもらうことにした。それで周平は子会社の事務所に珍しく出向いて、Sハウスの社長の周辺の経済界の噂の調査を始めた。ミーにはもう一度本社に出ている旗手社長に最新の周平の報告書を説明に行ってもらっている。嫌な予感がするのだ。
「今いい?」
 京都に出かけているケイ君からだ。
「殺されたのは許の子会社の社長だぜ。警察が暴力団のチンピラを上げたようだが、更に隣地を同じダミーを使って融資するという話がある。ちょうど現場に例のファイナンスの社長の小林が来ていた」
 どうも小林と許はバックマージンという太いパイプで繋がったようだ。小林の件を早く手を打たないと取り返しのつかないところまでいくような気がする。
「許には関東の暴力団がついているという噂だ。こちらは関西の暴力団が後ろ盾だ。現地の噂じゃ後ろにベンチャーの社長ありと言われているぜ」
「まずいな」
 つい独り言が出る。
「今晩9時に飛田の店でショウちゃんと会う予定だよ。これからは京都の地場新聞の記者に会う。この京都駅裏の地上げの連載記事を書いている記者だ」
「また妙なルートがあったんだな?」
「藤尾さんの紹介だ。彼はM商事では京都支社にいたんだそうだよ」
 その電話の前に、一升瓶を持った藤尾が笑って立っている。彼には酒を付き合いながら小林の最近の動きを聞こうと呼び出したのだ。















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テーマ : ミステリ
ジャンル : 小説・文学

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Re: No title

> 「警察から聴衆を受けて」は「聴取」の間違いかな?
ありがとうございます!
焦って打ち込みをしました。

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