夢追い旅 新しいライバル

新しいライバル

 翌朝一番に旗手社長の本社に呼ばれた。社長の応接室に通された。また新しく作り変えられたようで、待合室に受付嬢が座っていて、3つある部屋に呼ばれるようになっている。それぞれが完全防音でどの部屋のも反対側にドアがある。そこから旗手社長が入ってくるようだ。その裏に社長室があるようだ。
 すでに3人の男が座っている。こういう時は迂闊に名刺交換できない。旗手社長が周平をどんな立場で紹介するかによるのだ。到着が知らされたのか、旗手社長がワイシャツ姿で入ってくる。
「この顔を覚えておいてくれ。Nビルの秘書室長だ。こちらは本社の専務で、こちらは総務部長。時間がないから単刀直入にする。例の未公開株の調査書は彼が書いている」
「昨日Y新聞の記者が訪ねてきたのです。未公開株のリストが手にはいいたと一部見せたのです」
 40過ぎの総務部長が名刺を見せる。正式なY新聞の名刺だそうだ。
「コピーを取らせてもらって調べないと、担当部署が違うので判断がつきませんと言いましたが、なかなか手ごわい記者で責任者に出てもらわないとコピーは渡せませんなと言い張るのです」
 田辺一郎という文字を見てひらめいた。
「杖をしてました?」
「はい。交通事故に合ったと言ってましたね」
 舅がYテレビの社長の了解を取り付けて名刺を作ってもらってきている。
「それで僕が出た。これをすでに一部だけコピーを作ってきたようだ」
 これも若い専務が答える。この部分は最初に代議士に渡す前のリストだ。旗手社長の目が周平を捕らえている。
「ファイナンスの小林社長から渡ったものです。今黒崎さんのところの記者をその記者鈴木がしています。小林社長は元々Kジャーナルにしばらくいたのです。M商事の会長もまた彼らとYテレビの社長に繋がっています」
「やはりな」
 それだけ言うと旗手社長はもう立ち上がる。どうも彼らに聞かせる必要もあったようだ。
「予定を早めますか?」
 専務が言う。
「例の銀行の支店長をファイナンスに相談役で入社させるのだ。ただ、小林も今回は牙をむくか分からん。彼にもいろいろさせて来たからな」
 最後は独り言のようだ。ミーの知らない出来事があったようだ。
「今後動きがあったら秘書室長と話してくれ。これからはYテレビの社長がライバルになるようだな」

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テーマ : ミステリ
ジャンル : 小説・文学

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Author:夢人
これは30年前から書き始められた小説です。
日記風に手書きされた原稿にもう一度読み返して書き加えたものもあります。この小説は本来活字にはしないことにしていましたが、某社長がなくなれた記念碑で発表を決意しました。

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