夢追い旅 過去の男

過去の男

 ケイ君に連絡を入れるが応答がない。
 ミーから携帯に翌朝小林が代表取締役から平の副社長の辞令が出ると昨夜あった。どうも旗手社長とホテルにいる気配があった。きっと同じベットに旗手社長がいる声がする。妙に嫉妬している自分が不思議だ。ケイ君が使えないので轟に小林を張ってもらうように頼んだ。辞令の時は本社に呼ぶようだから人事部長にビルを出る時に連絡を入れてもらうのを頼んだ。
 周平は朝一番に黒崎の事務所の近くの喫茶店で舅と会う。これは舅から会談の申し入れがあったのだ。
「してやられたなあ」
 周平の顔を見るなりの一言だ。すでに前に来ていたのか、灰皿に煙草の吸殻が山となっている。
「『噂の真相』はそちらの記事だな。今日から黒崎が警察に呼ばれている。それに轟まで抱き込んで、ねぐらの偽装をさせた」
「ねぐらにも絡んでいたのですか?」
「ああ。あの頃は黒崎と組んでいたからな。でもそちらがここまで育つとは思っても見なかったよ。俺と手を結ばないか?一時は義理の親子だったしな」
「何をしようとしているんですか?」
「もう一度M商事の役員に返り咲く。黒崎は信用してない」
「今度はYテレビの社長ですか?」
「そこまでばれているか。それなら説明はいらんな。答えは?」
 周平は煙草の煙をしばらく見つめている。
「マドンナの強姦写真が雑誌に載りましたよ。ご存知ですか?」
 その言葉に舅は驚きの表情が隠せない。でも精一杯、
「過去の女だ」
 と言い切った。
「私にとってもあなたは過去の男です」
「お前なんてすぐに首にできるルートがある」
 どうも小林のことを言っているようだが、副社長の件は知らないようだ。

















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テーマ : ミステリ
ジャンル : 小説・文学

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プロフィール

夢人

Author:夢人
これは30年前から書き始められた小説です。
日記風に手書きされた原稿にもう一度読み返して書き加えたものもあります。この小説は本来活字にはしないことにしていましたが、某社長がなくなれた記念碑で発表を決意しました。

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