夢追い旅 中間省略

中間省略

 朝テープの要約書とコピーのテープをミーに本社の社長室まで運んでもらう。それからの判断は旗手社長に任せるしかない。
 昨夜は横浜に出かけていた団長が9時過ぎに戻ってきて、凄く機嫌悪そうで周平は早めに店を上がって蒲団に入った。その表情を思い出しながらケイ君からの連絡を待っている。昨日には東京に戻ってきているはずなのに携帯に出てこない。そんな時にようやく携帯が鳴った。
「遅い」
「すまん。小林の件報告するよ」
「こちらに来たら?」
「いやこれから・・・」
 語尾が聞こえない。
「例の殺人事件のあった古家の一帯を許の別会社名で買うという話が出ている。だが買い付け証明はそちらの不動産会社の大阪支社長名で出ている。その記者の話では中間省略をするという」
「その中間省略というのは?」
「真の所有者は許だということらしい」
「さすがにそんな融資は無理だろう」
 人事部長が送ってきた稟議受付簿を広げる。確かに大阪支社長のラインの会社が稟議を出している。赤線を引いて?マークが入っている。そう言えば藤尾の会社が赤坂の地上げでよく融資を受けるパターンだ。
「いやそうかもしれん」
「もしここが買われたら大阪のやくざの会社の土地は出口を塞がれることになるそうだ」
「ところで横浜で団長と会ったな?」
 返事がない。
「詳しいことは団長に聞いてくれ」
 しばらく間があって、それだけ言うと切れてしまった。















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テーマ : ミステリ
ジャンル : 小説・文学

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