夢追い旅 事件の始まり

事件の始まり

 昼に轟から携帯が入ってきて、黒崎、舅の任意呼び出しの後、ついに柳沢の指名手配が行われたという。だがもちろん行方不明だ。やくざのママを連れたまま姿を消している。M商事の社長からは会長も警察に任意で呼ばれて、会長の代表権復活についてはYテレビ側からは沙汰なしとなったようだ。それで調査費用の振り込みがあった。
 ラブホテルの取引は代表者の藤尾と裏の会社で使っている信組で午前中にすませた。藤尾は取引慣れていて、終わると昼から開いている居酒屋に誘う。それを予想してミーには直帰を告げてきた。彼女も今日は早く閉めて姉さんママのニューハーフの店に行く。夜に舞台で踊るそうだ。最近今の仕事から替わりたいと言っている。
「赤坂はどうなの?」
「一部グループで持っていた土地を裏の会社に移し始めているさ。これは旗手社長の直接の指示だ」
「こちらにはあまり情報が入らないが?」
「Sハウスが中心に動いている。問題の国営地もスーパーD社に等価交換で済ませている」
 旗手社長の中では赤坂はもう終わっているのだろうか。
 藤尾はロックを焼酎で飲む。周平は小瓶がないので中瓶を頼む。この店は昼なのに至る所で酒盛りが始まっている。写りの悪いテレビがついいている。
「あれ!小林じゃないか?」
 画面に小林と若い本社の秘書室長が写っている。
「なんだ!」
 ミーの携帯を無意識に鳴らしている。
「すぐに10チャンネルのビデオをとるんだ。これから戻る」
「野党の議員事務所だ。鞄から金を出しているところをカメラで撮られている」
 轟の声も聞かずにもう周平は立ち上がっている。
「今からNビルに来るんだ」
 続いて旗手社長からの電話が入る。














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テーマ : ミステリ
ジャンル : 小説・文学

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プロフィール

夢人

Author:夢人
これは30年前から書き始められた小説です。
日記風に手書きされた原稿にもう一度読み返して書き加えたものもあります。この小説は本来活字にはしないことにしていましたが、某社長がなくなれた記念碑で発表を決意しました。

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