夢追い旅 時間の隙間

時間の隙間

 疲れ果てて神戸駅のベンチにへたり込んでしまった。旗手社長の疲れも背負い込んでしまったようだ。ある日山手線を夢遊病のように回り始めてから、どうやら周平は時間の隙間に落ち込んだようだ。このまま時間の隙間で生き続けてよくのだろうか。これから東京までとんぼ返りする精神的な体力がない。無意識にポケットに手をやって携帯を取り出す。団長からのメールが入っている。
「ケイ君とカオルとユキを連れて今大阪にいます」
 折り返すが、呼び出すが応答はない。周平は取りあえず大阪のあの病院のある駅まで出ようと思った。
「よかった」
 大阪駅で団長に繋がった。
「どうした?」
「あの看護婦さんからケイ君に連絡があったの。市場の人に確かめてくれたら近くのアパートから買い物に」
「それでもう行った?」
「それが地図で見ると何棟もあるので明日行くことにした。周平は社長に会えたの?」
「ああ、重たい仕事を受けたよ」
「東京に帰る?」
「今どこ?」
「病院の近くのビジネスに入った」
「今から行くよ」
 携帯を切るとすぐにミーに連絡を入れる。
「とくに変化は?」
「ファイナンスにも査察が入ったわ。社長と会った?」
 小林が何か自供したのだろう。
「ああ、おそらく今日中に東京に戻ると思う。見せるものは見せる。隠すものはその中に混ぜてしまう。明日そちらにメールを送るので『噂の真相』に載せてくれと言っておいて」
「私が持って行けばいいのね?」








 
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ジャンル : 小説・文学

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夢人

Author:夢人
これは30年前から書き始められた小説です。
日記風に手書きされた原稿にもう一度読み返して書き加えたものもあります。この小説は本来活字にはしないことにしていましたが、某社長がなくなれた記念碑で発表を決意しました。

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