夢追い旅 証拠

証拠

 ユキはホテルでカオルとお留守番だ。周平と団長とケイ君は朝御飯を済ませると、地図の市場周辺まで歩いて別々に2階建ての文化住宅と呼ばれるアパートを塗りつぶしてゆく。12時になったら市場の前に集合ということにした。留守宅も多いが独り暮らしの老人も多い。
「原稿渡したよ」
 ミーから連絡が入った。
「旗手社長は?」
「朝、私のマンションから地検に出かけた」
「何か言ってた?」
「リストのことだけど、1枚目だけ出して後は絶対になかったものにしてくれって」
 2枚目は旗手社長自身が入れたリストだ。3枚目は小林の追加と最終修正が入っている。この2つは小林も知らないし、周平だけが後の段取りのためにコピーを取って1枚は旗手社長に残り1枚は今も持っている。ミーも中身は知らないはずだ。確かに2枚目が出ると会社はなくなるだろう。実は総理の名前も2枚目には入っていた。これは旗手社長のメモ書きのようなものだった。3枚目で総理の関係は外している。
「轟さんが来たので替わるわ」
「やはり頻繁に黒崎はYテレビに出入りしている。昨日から鈴木がカメラマンを連れてNビルに張り込んでいる」
 どうやら旗手社長に突撃取材でもしようとしているようだ。
「Kジャーナルからリストの公表があった?」
「今のところない。あれはKジャーナルでは出さない気がするな」
「Yテレビに高く売りつけるかな」
「それとYテレビにはM商事の会長もいたぜ」
「あの人はまだ返り咲きを狙っている。柳沢が気になるな」
 携帯を切って振り返ると、団長とケイ君の顔があった。首を横に振りながら、
「東京に戻っていいのよ」
「いや、今東京におらないほうがいいようだ」






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テーマ : ミステリ
ジャンル : 小説・文学

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夢人

Author:夢人
これは30年前から書き始められた小説です。
日記風に手書きされた原稿にもう一度読み返して書き加えたものもあります。この小説は本来活字にはしないことにしていましたが、某社長がなくなれた記念碑で発表を決意しました。

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