夢追い旅 歴史を組み立てる

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 今日はユキが店番で団長とカオルを連れて墓参りに行く。小さな墓石だがカオルの名前と母の名前が刻んである。これはM商事から貰った退職金を当てた。さすがに旗手社長の裏金は使えない。団長は毎月花を挿してくれているようだ。
「カオル、お母さんとおばあちゃんよ」
と団長が言う。カオルにとって初めての外食だ。
「遅くなる?」
「いや、男3人の食事会だからな」
 M商事の社長と監査役だ。赤坂の個室を借りている。
「どうでした?」
「少しだけと言いながら8時間も缶詰だよ」
「どこまで調べていたのですか?」
「なぜ社長選で会長に敗れたかから聞いてきたよ。それで鈴木部長の工作に敗れてと言ったよ。次に『噂の真相』を出してきて藤尾課長の事件を尋ねてきた。横浜にいたから知らないと答えた」
 警察も『噂の真相』を見ていてくれているのだと思った。
「Kジャーナルの鈴木記者だねその鈴木部長はと確認してきたので頷いた。なぜ鈴木と組んだと。そこから監査役のことになった。殺したのは柳沢の彼女の兄貴のチンピラだそうだ」
「柳沢手帳に書いてあったのだと思いますよ。でも警察はこれから証拠固めが大変ですよ。みんな死んでしまってますから。ところで重体の女性は?」
「死んだらしい」
 無理心中だろうか。
「会社には?」
「赤坂事件の資料を出せと言っている」
 同席の社長が答える。
「頼みなんだが、赤坂事件の資料を抜粋してくれないか?今そっくり箱崎の倉庫に入れている」
「蔵入りですね。適当な依頼書を作ってください。3日ほどもぐりますよ」
 M商事の臭いものはすべてここで眠っている。
 『噂の真相』の事実を固めるものだけ資料として提出すればいい。




















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テーマ : ミステリ
ジャンル : 小説・文学

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夢人

Author:夢人
これは30年前から書き始められた小説です。
日記風に手書きされた原稿にもう一度読み返して書き加えたものもあります。この小説は本来活字にはしないことにしていましたが、某社長がなくなれた記念碑で発表を決意しました。

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