夢追い旅 女は逞しい

女は逞しい

 朝一番藤尾から連絡があった。9時から5時までということでいよいよマドンナが任意で呼ばれた。周平は『噂の真相』によって原稿をまとめて引き渡した。監査役を殺したチンピラを赤坂の地上げ現場でかくまっていたが、やくざの兄貴を使って柳沢が殺したこと。そこまでを証拠を示しながら書いた。いずれ自分も呼ばれるか漠然とした不安はある。
 藤尾とはマドンナを連れてマキの銀座のクラブで落ち合うことになっている。
「久しぶりすぎるじゃない?」
 ママ自身が玄関に出迎えてくれる。
「稼ぎがないもんでね」
 確かにママが出迎える客のなりではない。ボックス席に案内して女の子は呼ばない。
「周平昔のよしみで不動産の取引手伝ってくれない?」
「えらい羽振りだな」
「それが会長のママの店よ。会長が死んでからは閑古鳥が鳴いてたわ。でも銀座じゃ一等地だからね。この店はマドンナに任せる」
「銀座は弱肉強食だね」
 藤尾が入ってきて着替えたマドンナが顔を見せる。
「すべて話したらすっきりした!M商事の何とかいう係長のことも話したわ」
「藤尾と結婚する?」
「しない。でも同棲はしてる。私はマキママと銀座を制圧するの。柳沢の手帳に全裸の私の写真が挟んであったらしいわ。でもそんなもの脅しにもならないわ」
 M商事の秘書課にいた彼女とは同一人物とは思えない。
「女は逞しいのよ」
 マキが周平を見て笑う。男にはそんな逞しさはない。











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テーマ : ミステリ
ジャンル : 小説・文学

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