夢追い旅 バブル崩壊とともに
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バブル崩壊とともに

 若い新社長と元大阪支社長の不動産会社の社長の反対があったが、予想通りM銀行頭取の仲介で総理の選んだ不動産会社の合併となり上場取り消しの噂も吹き飛ばされてしまった。総理はこれで院政を引く資金ができたらしく禅譲の話が飛び交う。M銀行頭取は内諾通りS銀行をサブバンクにし経営陣の入れ替えを要求、会長、社長ともに退任とし、初の女性社長を誕生させた。
 この頃からバブルの崩壊が始まる。
「ご無沙汰してます」
 元副社長の時には何度か旗手社長同席で話し合ったことがある。
「やはり」
「いや今はしがない文屋です」
 隣に常務の総務部長が掛けている。ここは旗手社長の社長室だ。会長も前社長もこの部屋には入らなかった。
「取り巻きの連中もすべて中心から外しました。まだ元気の残っている飛ばされていた役員や部長を戻しています。今回の不動産部門の消却で本社の負債は0になります。再建計画は当初15年とも言われていましたが、8年で完了します」
「問題のファイナンス会社は?」
 社長はさすがに負債を袋詰めにしている会社のことを忘れていません。
「それも総理が見合い相手をすでに用意しています。こちらは不動産会社のように鮮やかに行いません。あれっという感じで消えてゆきます」
「あなたは表に出ないのですか?」
「裏があってるようです。これからは旗手社長を知らない人たちの時代が来ます。そういう意味で繋ぎとしては難しい時代です。大きな負債とともに大切な風土も失いました。次は何を頼りに会社を立ち上げてゆくかが課題ですね」
「それは分かっているわ。でもまた呼んだ時に来てよね?」
 周平は深く頭を下げて裏扉から消えてゆく。
 新しい時代が来たのだ。









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テーマ : ミステリ
ジャンル : 小説・文学

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