夢追い旅 カオルの病気
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カオルの病気

「どうしたんだ?」
 頭が割れるように痛い。ここはどこだろう?
「責任取らなくていいのよ」
 団長が、下からスパゲティを作って上がってくる。
「3人分作ったからどう?」
 カオルの裸の背中に、団長が蒲団をかける。周平も半裸だ。二人分の蒲団に川の字で寝ていたようだ。
「何かした?」
「私には何もしない。カオルが一方的に仕掛けた。この薬よ」
 畳にポンと投げる。
「何?」
「変態医者からせしめたのよ。やりたくなって仕方なくなるようよ」
「カオルも飲んだ?」
「彼女には薬はいらない。それより会社は?」
「詐欺師だからね」
「私は信じてないのよ」
 上着のポケットを探る。
 スパゲティの味はどこかで食べた味がする。そうだ。叔母の唯一の得意料理だ。
「この味は懐かしいね」
「若い子には評判は今一つなのよ」
 周平はこのほの甘いのが好きだ。
 携帯を取り出す。3本留守電が入っている。
 加瀬からの留守電。社長が辞めた藤尾のことを尋ねてきたきたという。どうも、藤尾の件は会長との関係が深そうだ。次は女房の映子。しばらく、実家に帰るとのこと。彼女には実家がない。実の母親の銀座のママのところにいるということだ。でもこれは彼氏の一人と旅行するときのいつもの手だ。銀座のママを周平が苦手としていることを周知している。もう一つは着信だけで切れている。
 藤尾開発部長である。彼は何かを握っている。
「食べたら早く服を着て出かけることよ。まだやりたいなら別だけどね」
 団長の声に急き立てられてホワイトドームを飛び出す。











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ジャンル : 小説・文学

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夢人

Author:夢人
これは30年前から書き始められた小説です。
日記風に手書きされた原稿にもう一度読み返して書き加えたものもあります。この小説は本来活字にはしないことにしていましたが、某社長がなくなれた記念碑で発表を決意しました。

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