夢追い旅 裏の裏
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裏の裏

 轟の彼女の店で会うことにした。
「久しぶりですな。しばらく赤坂の嵐は続きますよ」
 轟は楽しそうにボトルの焼酎を注いでくれる。
「ギブアンドテイクですから、新しいピンピンの情報流しまっせ」
 どうも黒崎から新しい仕事を受けているらしい。
「もう報告済みですから、金には替わりまへんで」
 あまり口を挟んで腰を折らない方がいい。
「会長、経団連の副会長の口が回ってきたようで、久しぶりに札束合戦になりますな」
 会長は院政を固めて、経済界に進出のようだ。これは舅からも聞いていたがいよいよか。でも、この赤坂プロジェクトは金がかかるばかりで、儲かるのにはまだ程遠い。
「赤坂はまだ金にならないでっしゃろ。そうです。それで会長は中抜きをしてるらしいです」
「黒崎さんが調べろと?」
「黒崎さんは会長の子飼いやないですよ。もっとバックからの指示です」
 何となくわかるような気がする。
「糸は藤尾元第2課長ですわ」
「そこでこちらからも情報です」
 轟の目が宙に浮いている。
「藤尾をはめるのを手伝いましたね?」
 テーブルに先ほどの写真を乗せる。
「もうそこまで行きましたか、柳沢の手伝いをしました。もともと彼女は柳沢の女だったんですよ。藤尾に薬を飲ませて、写真撮る時だけ彼女は上半身裸になりました」
「柳沢だけの知恵じゃないはずだ」
「この話は鈴木取締役からきました。黒崎さんはご存じない」
「アルバイトをしたわけだ」
「いえ、これは会長からの指示だったようです。藤尾は何か会長の情報を握ったようですな。それを封じるための小細工だったんですが、取締役は彼女に手を付けてしまった」
 ここでマキの話と辻褄が合う。
「柳沢はその証拠写真を撮って、会長の側近になったようです」







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テーマ : ミステリ
ジャンル : 小説・文学

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夢人

Author:夢人
これは30年前から書き始められた小説です。
日記風に手書きされた原稿にもう一度読み返して書き加えたものもあります。この小説は本来活字にはしないことにしていましたが、某社長がなくなれた記念碑で発表を決意しました。

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