夢追い旅 監査役の死
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監査役の死

 周平と轟が国崎に呼び出された。轟は昨日退院したばかりで、二本の松葉つえを操ってようやくソファーに座る。国崎は忙しい煙草の吸い方で、不機嫌さが現れている。
「今朝の新聞見たか?」
 3種類の新聞がテーブルに広がっている。
「監査役が見つかったようですね?」
 轟が口を開く。
「こちらで調べてみたが、自殺か事故かと見出しが出ているが、タイヤ痕から自殺はないと判断しているようだ」
「新聞にはまだ出てませんね」
「直接聞いた」
「身元はM商事の監査役と持ち物のから判断したとありますが、運転手のことは出ていませんね」
「運転手も死亡している。M商事の横浜支店の営業課長だ」
「やはり、朝、相談役の指示で自宅まで迎えにやったのですね」
「どう思う?」
 周平に視線が向いている。
「赤坂資金の流出からすると、会長派が怪しいことになります」
「となると、鈴木取締役が動いたか?」
「あの人のタイプじゃないですね」
「そう思う。だったら会長か?」
 そんな単純なタイプじゃない。
「思いつく人物がありそうだな」
「これは推測だけですが、人格的に柳沢部長が最も近いですね。とくに鈴木部長のライバルとして、大胆な手に出たのではないかと思います。前回の藤尾課長の時も独断専行でしたね」
「それは言えますよ」
 段取りを手伝わされた轟が答える。
「よし、まずはその線を頼む。轟は知り合いの刑事に会って、あの日の追突を説明してくれ」
「警察ですか?」
「追突した車を警察に洗ってもらう。おそらく衝突痕が車についている。轟には衝突されたものしかついていない、心配するな」
「仕事柄あまり付き合いたくない」
「それから判断しても遅くはない」
 ぼそっと、国崎がつぶやいた。 










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テーマ : ミステリ
ジャンル : 小説・文学

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夢人

Author:夢人
これは30年前から書き始められた小説です。
日記風に手書きされた原稿にもう一度読み返して書き加えたものもあります。この小説は本来活字にはしないことにしていましたが、某社長がなくなれた記念碑で発表を決意しました。

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