夢追い旅 様子見
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様子見

 分かれるという周平を轟が呼び止めた。
 喫茶店に入ると、ビールの小瓶を頼む。
「傷にはよろしくないですね」
「ちょっとひっかけないと警察はねえ。いくつか話がある」
 轟は旨そうにビールを瓶ごと飲む。周平もつられてビールを頼む。
「まず、ねぐらに盗聴器が仕掛けられている」
「よく分かったな」
「あそこは俺の領分だ。この件に関係が?」
「ないと思う。ロシアの女の子が付けた。あのアパートの管理人は やくざか?」
「違う。アルバイトだよ。あのママはそんなせこいことはしない」
 ケイ君に直接聞くしかない。
「柳沢は独身だ。このゲーム屋の一室にここのママと同棲している」
 轟は住所と店の名前を書く。
「そんな恰好で行くなよ。れっきとした賭博屋さんだからさあ。女の兄が刺青ものさ。前回、調査の時に素性を調べた。誰でも彼でも相棒にしたら身が持たない」
「兄の線が濃いというわけだ」
「そちらはどちらに付く?」
 どうも相棒として周平を見てくれているようである。
「国崎さんが悩むように今すぐに答えを出すのは難しい」
「殺人が絡むとなると、とんだ巻き添えを食らうことになる」
「それにこの問題はまだまだ奥が深いように思う。まだようやく手下の動きがつかめたところだ。黒崎さんが何を考えているのかもわからない」
「まあサラリーマン崩れが関わる事件ではなさそうだな」
 轟はひょいと立ちあがると松葉つえを押し出すように出てゆく。




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テーマ : ミステリ
ジャンル : 小説・文学

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夢人

Author:夢人
これは30年前から書き始められた小説です。
日記風に手書きされた原稿にもう一度読み返して書き加えたものもあります。この小説は本来活字にはしないことにしていましたが、某社長がなくなれた記念碑で発表を決意しました。

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