夢追い旅 ガセネタ
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ガセネタ

 Kジャーナルの記者名で怪文書を作り、加瀬を個室に呼んで見せた。
「Kジャーナルといえば鈴木取締役と親しい事件屋でしたね?」
「ああ、まだ原稿段階だが、好意的に見せてもらった」
「見せてもらってもいいですか?」
「ああ、調査を任せようと思っているから」
 加瀬は食い入るように見ている。
「監査役が次回持ち込む予定の原稿だった。それがなぜ同業者に流れたのは分からないが」
「これでは会長が赤坂資金の中抜きをしていたということですね?」
「調査してみないとわからないが。だが、監査役がそう言い切るのであれば、ちゃんとした証拠を握っていたと考えられる」
 目で、鈴木取締役はと聞いている。
「これは会長には見せられないね」
「そうでしょうね」
「ここには監査役の事件にも会長派が絡んでいると警察が内定を始めたとあるがそこまでは」
 加瀬をここで使わせてもらう。彼は相談役を社長に合わせている。きっとこの内容を社長派に伝えるだろう。
 周平は現物をポケットにしまい込むと、惜しそうに見る加瀬に、
「Kジャーナル記者の在籍だけは確認してくれ」
 と部屋を出た。
 とにかく、柳沢をあぶりだすしかない。お手付きをするのは彼しかいない。ただ、舅の取締役も女が絡むとガードが甘くなる。
 屋上に上がると、マキの携帯に連絡を入れた。敢えて留守電に吹き込んだ。
「加瀬から情報が入る。これはこの前のお誘いの気持ちだけの礼です」
と。








 
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テーマ : ミステリ
ジャンル : 小説・文学

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