夢追い旅 夫婦連れ

夫婦連れ

 タクシーで五反田に着くと携帯を入れた。クリーニング屋の並びの電信柱に車を止めているという。
 歩いてゆくと、サングラスをかけた轟が運転席に座っている。
「車の中で会社に電話を入れた。マドンナは急に父親が病気なのでと早退したそうだ。合わせて2日間休みを取っている」
「何かあるな。その忙しい彼女がもう部屋に入って1時間以上になる。まさかね」
 轟がにやりと笑う。
 2時間は過ぎたころに、マンションの前にワゴンタイプの車が止まる。組が送迎用に使っている車のようだ。待っていたように玄関から二人が乗り込んだ。轟が頷いて周平にサングラスを渡す。ゆっくりと道を走り出す。
「周平はホワイトドームの姉妹のどっちなんだ」
「姉妹じゃない。同い年だ」
「まさか!」
「また個人的に力を借りる」
 話しているうちに、熱海温泉に入った。
「車の後ろを見ていてくれ」
 轟は追突されたことを思い出したようだ。あれも熱海の山だった。
「後ろは軽だ。でも加瀬を消すにはいい場所だな」
「それでマドンナを連れてくるか?」
 ゆっくりとホテルの地下に入ってゆく。周平が先に降りてロビーに回る。
 前もって予約を取っているようだ。サングラスをかけてチェックインを見ている。夫婦連れに傍からは見える。彼女の大きな旅行鞄を柳沢が持つ。ホテルマンが預かろうとするが拒んでいる。でも柳沢の荷物はない。轟が尾行を開始した。周平では面が割れている。
 小走りでフロントに寄った。
「先ほどの女性の付き人でして、何号室に入りました?」
「女優か?綺麗な人でしたものね」
 フロントが番号を教えてくれた。マドンナの本名の夫婦名で記載されている。
「できるだけ近くで空いてませんか?男2名です」
 とにかく張り込みだ。




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テーマ : ミステリ
ジャンル : 小説・文学

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夢人

Author:夢人
これは30年前から書き始められた小説です。
日記風に手書きされた原稿にもう一度読み返して書き加えたものもあります。この小説は本来活字にはしないことにしていましたが、某社長がなくなれた記念碑で発表を決意しました。

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