夢追い旅 夢の中

夢の中

 尾行が分かっていてはめられたのかどうかは分からない。
 久しぶりにホワイトドームに帰ると、カオルが寝ている。
「駄々をこねたのよ。帰るっていうことを聞かない」
 団長が呆れたという風に手を広げる。
「ご飯食べた?」
「いや」
 五反田でしばらく張り込みをすると言った轟にコンビニの弁当を買って別れた。
「焼うどんするからどう?」
 カウンターにでか鼻と3人組が仲良く並んでいる。
 周平は冷蔵庫からビールを出してきて瓶ごと飲む。団長はみんなの皿に焼きうどんを分けて並べる。
「サングラスに会ったんだってね?」
「ケイ君は狐の犬だからね」
 さほど怒った風はない。自分もビールを抜いて飲み始める。
「カオルの件もあるしね、いつまでも名無しの権兵衛ではいけないから」
「それで何か分かった?」
 財布の中から小さな写真を出してきた。
「名前は松七五三聖子って言うらしいの」
 まぎれもなく周平の恋人であった松七五三聖子だ。
「これは大やけどした私の書類に貼ってあったらしいの。彼が引き取り人だったようだわ。どうもあの時戦闘人としてある国に派遣されたのよ」
「彼は?」
「派遣担当者みたいな」
「やはり記憶には?」
「ない」
「今なら想像はつかないが・・・」
 あの頃、周平も松七五三聖子に誘われていた。半分は彼女と海を渡る気もあった。そんな時代で、そんな空気が流れていた。でも彼女が太田黒を選んだと思い込んでいた。太田黒はいつも彼女について回っていた。
「どうしたの?」
「いや、疲れたんだ」























 
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テーマ : ミステリ
ジャンル : 小説・文学

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