夢追い旅 舅の読み
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舅の読み

 さっそく原稿を書いて、黒崎のところに回した。
 とんでもない記事だ。今後ベンチャーは赤坂の地上げ地を買い上げないというのだ。M商事の未処分残地は幹線道路から離れた他人地に囲まれたいわゆる接道のない建築物が立たない土地ばかりになっている。明らかに意図して買い上げられたと思う。現在の土地だけで事業プランが立てられている。確かに現在売却した土地で利益は出しているが、残りは投下資本で類推しても1000億はある。これがただの紙切れになると言っている。
 黒崎のジャーナル誌が出ると、予想通りM商事はハチの巣をつついたようになった。
 即座に会長がS銀行の頭取に呼び出された。
 珍しく不動産部長になっている舅から呼び出しを受けた。
「さすが見込んだだけはある。懐に入ったな」
 二人だけになったのは久しぶりだ。
「離婚届けはまだ出してないようだな。娘と言っても会長の種だがね、先日子供が生まれて泣きついてきている」
「催促ですか?」
「いや単なる報告だよ」
 ゆっくり煙草を吹かす。
「会長は経団連の副会長のチャンスを逃すね。赤坂が命取りになる」
「予想していたわけですね?」
「ああ、なのに柳沢みたいなチンピラに乗って」
「だったら社長に乗るという手もあったのではないですか?」
「あれは捨て駒だね。M銀行の頭取の意志が全く読めていない。あの人は自分が繋ぎだということが分かっていない」
「では黒崎さんとは?」
「あの人は賭けに出ているんだ。ニューリーダーにかけている。だが年寄りたちの力はまだ絶大だな」
「マドンナのことは?」
 周平はまだ若い。ついつい内緒にしておくつもりのことを口にしている。
「そこが俺の弱点なのだなあ。好きな女は好きだ。だから柳沢と勝負をしている。マンションに時々柳沢が泊まっていることも知っている。だから勝負をしてやるんだ分かるか周平?」














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テーマ : ミステリ
ジャンル : 小説・文学

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夢人

Author:夢人
これは30年前から書き始められた小説です。
日記風に手書きされた原稿にもう一度読み返して書き加えたものもあります。この小説は本来活字にはしないことにしていましたが、某社長がなくなれた記念碑で発表を決意しました。

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